現場トラブル時の対応と事前対策
トラブル内容
- 夏場の吹付工事などの気温の高い状況で特に発生しやすい
- ポンプを稼働している間は材料がホース内で動いているため問題ないが、工事を中断している時間(移動時など)では、ホースの温度上昇で材料が熱で硬化が始まってしまう場合があり、圧送が困難になってしまう
対応策
- サニーホース内にモルタルホースを通してサニーホースに水を流し込み、モルタルホースの温度を下げると材料の硬化が遅くなり、時間を空けた後の作業時もスムーズに圧送できる
注意点
- 上記対応策は現場で水を垂れ流しできる場合は非常に有効
- 水を垂れ流しできない場合は、水をタンクへ戻して混練用の水として再利用することもできる
注意点
- 材料分離等の要因から、材料がモルタルホース内で詰まることがある
対応策
❶ 基本的な詰まりの解消法
- ポンプを逆転運転することで圧力を抜いてからホース内の材料閉塞部をハンマー等で叩き、詰まりを解消してからポンプを正転して詰まった材料を排出する
❷ 上記の方法で解決しない場合
- ポンプを正転させたまま、ホースの先端部から水道ホースを使用して水を流し込み、棒状の物(鉄筋など)をホース先端から差し込んで詰まった材料を潰していく
- 潰れた材料はホース内に圧力がかかっているためホース内を逆流せず、水道水と一緒に排出される
- 最終的にホースの内の圧力で全ての詰まっていた材料が排出される
注意 | ・ホース内に圧力がかかった状態で行うため、排出時に勢いよく材料が飛び出す恐れがある ・実行する際には必ず周辺の安全を確保し、行うようにする |
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先行材を送っても詰まった、もしくは送り忘れて詰まった場合
まずは落ち着いてポンプの動作を停止させましょう。その後、下記の方法を試してください。
❶ ポンプ停止後、逆転運転させて詰まり部分の圧力を抜きます
❷ 低速回転で正転運転させます(圧送距離により複数回、逆転・正転を繰り返します)一度材料を逆転で戻すことにより、詰まり部分が解消されて圧送可能になります
表示の確認
まず、インバータの表示を確認しましょう。
- 東芝製インバータVF-S15の場合(代表例)
表示 | 故障コード | 名称 | 内容 | 対策 |
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OC3 | 0003 | 定速運転中 過電流 |
負荷が急変した 負荷が異常状態 |
負荷の変動を少なくしてください。モータ、装置に異常がないか、ご確認ください。 |
OL1 | 000D | インバータ過負荷 | 急加速をしている 負荷が大きすぎる |
ポンプ、ミキサーに異常がないか、材料が固着していないかご確認ください。 |
OL2 | 000E | モータ過負荷 | モータ拘束状態が発生している モータの過負荷運転 |
ポンプ、ミキサーに異常がないか、材料が固着していないかご確認ください。 |
EPH1 | 0008 | 入力欠相 | 電源入力側が欠相している | 電源ケーブルが損傷していないかご確認ください。 |
UP1 | 001E | 不足電圧トリップ | 運転中に入力電圧が不足 | 入力電圧をご確認ください。 |
トラブル内容
特に断面修復吹付工事を施工される業者の多くが、「ポンプの移動が面倒」「材料を厚く吹付したい」といった理由で圧送距離を伸ばしたいと望んでいます。
吹付材料は、厚付※1するために粘性の高いものが多く、非常に圧送しにくくなっています。
例)当社OKG-35Eとモルタルホースφ40mmの組み合わせの場合、圧送距離は約40mが限界となっています。
対応策
① モルタルホースをφ50mmに変える(約10〜20m伸びた実績あり)
② 鋼管パイプを垂直面だけでも使用する(10m以上※2伸びる例も)
ゴムホースしか使用できない現場で、あと10m圧送距離を伸ばしたい場合
モルタルを圧送する際は先行材(セメントペースト)を使用します
手順❶ 水を送る
- ホース内を湿らせ、モルタルの水分が失われないようにします
手順❷ 先行材(セメントペースト)を送る
- セメント1に対して水0.4の割合でカクハンした材料(先行材)を送り、モルタル内の水分が先行してしまうのを防ぎます
手順❸ モルタルを圧送する
異常を検知する計器の準備も重要です
- ホースの目詰まりなどのトラブルや、日頃の機械管理に圧力計は必需品です。
- 圧力SW付圧力計ユニットを使用することで、上限圧力を設定し危険・トラブルを事前に回避、最小限にすることができます。
材料が詰まりにくいケースと、詰まりやすいケース
詰まりにくいケース
- ポンプより高い位置へ材料を送る場合、重力により材料分離が発生しにくいので、詰まる可能性が低くなります。
詰まりやすいケース
- ポンプより低い位置へ材料を送る場合、重力により流動性の高い水が出て分離が発生しやすいので、詰まる可能性が高くなります。
ポンプより低い位置へ圧送する際に目詰まりを起こしにくくするには
方法❶
- ホース先端から材料が出るまで、ポンプの運転を止めずに連続圧送します。運転を途中で止めてしまうと、その時点から分離が始まり、詰まる可能性が高くなります。
方法❷
①地上(水平圧送)で圧送を行い、ホース先端から材料が出たら運転を一旦ストップします。バルブを使用して材料を止めます(もしくはホースを折ります)。
②材料を止めたホース先端を施工場所へ移動し、ポンプの運転を再開します。ホース内を材料で満たすことで低い位置への圧送でも材料の分離を防ぐことができます。
※1 | 厚付:100mm吹付する場合、約33mm×3回の工程で施工 |
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※2 | 条件によって異なります |